デュンケルボックとサマーエール

デュンケルボック
今現在城崎ビールはピルスナー、レッドビール、ヴァイツェン、カニビールの4種類を製造しているが、実は最初からこの4種類だったわけではない。1997年にスタートした時はピルスナー、レッドビール、ヴァイツェン、とデュンケルボックだった。デュンケルボックは色も濃く、甘さもありアルコール度数も高い強いビールである。当時ボックを造っている地ビールメーカーは結構あったが、デュンケルボックを造っているメーカーはほとんどなかったと記憶している。お客様もほとんど初めて飲む人が多かったが、人気のあるビールだった。とはいえ、味も濃くどちらかというと冬用のビールだったため、夏になると夏用の軽いビールが造りたいとブルーワーがいいだし、やってみようと次はサマーエールを造った。こちらは味もアルコール度数も軽め。暑い夏に、さっぱり何杯も飲めるエールビールである。新しいビールを造るとなると、デザインを起こし、ビール瓶に直接印刷する。勿論ロットもかなり大きい。それから地ビールを扱ってもらう酒屋さんにPOPを作って説明をする。レストランで新しい地ビールを提供するのは比較的簡単だが、新しい地ビールをお客様に知ってもらい、周知徹底するのは時間とコストが必要だ。ビールを造る側としては、どんどん新しいビールを造りたいのだが、残念ながらコストを考えると、そうもいかないことがわかり、カニビールを造ってからは、今の4種類で続けている。
本当はいろんなビールを造れたら面白いんだけど。次の新しいビール開発はいつ出来るだろうか。
自己紹介
兵庫県城崎温泉で温泉旅館「山本屋」と地ビールレストラン「グビガブ」を経営している高宮と申します。地ビールを作る立場の人間がビールについて考えている事をまとめてみました。ビールを作るのは奥深く面白い仕事です。また世界には驚く程多くの種類のビールがあり、味わいも様々です。国によってビールのスタイル、楽しみ方も違います。自分でビールの仕事をするまでは、こんなに面白い世界だとは思いませんでした。飲んで研究すればするほど広がるビールの世界を、ひとりでも多くの人に知ってもらいたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。