麦芽100%の地ビール

麦芽100%の地ビール
 地ビールを造るにあたり、こだわりが2つありました。1つは麦芽100%の地ビールを造ること。もう1つは地元の食材にあう地ビールを造ることです。日本の大手のビールは米、コーンスターチなどの副原料が使われているのがほとんどですが、ドイツでは麦芽100%のビールだけがビールと認められています。副原料の入ってないビールがやはり本当のビール。麦芽の味が感じられるビールこそ本物という思いがあります。

 地ビールを造るプラントがあればどんなビールでも造れます。世界には何百のビールのスタイルがあり、味や色、苦さなどはすべてブルーワーが決定できるのです。城崎でビールを作るなら、城崎の食材にあったビールを作りたい。そうでないとわざわざ苦労して地ビールを造る意味もありません。
そこで、いろいろトライした結果、今の4種類のビールとなりました。かにビールは名前はべたですが、かにと一緒に飲んでもらうには最高のビールと自負しています。大手メーカーにはさすがにそこまで絞ったビールは作れないと思います。城崎は自然に恵まれています。商品化する時に、デザイナーと話し合い、城崎の自然をモチーフにしようと、「空、川、海、雪」の4つをモチーフにしたパッケージが出来上がりました。味のイメージもあっていて、いいパッケージができたと今でも喜んでいます。
自己紹介
兵庫県城崎温泉で温泉旅館「山本屋」と地ビールレストラン「グビガブ」を経営している高宮と申します。地ビールを作る立場の人間がビールについて考えている事をまとめてみました。ビールを作るのは奥深く面白い仕事です。また世界には驚く程多くの種類のビールがあり、味わいも様々です。国によってビールのスタイル、楽しみ方も違います。自分でビールの仕事をするまでは、こんなに面白い世界だとは思いませんでした。飲んで研究すればするほど広がるビールの世界を、ひとりでも多くの人に知ってもらいたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。